
映像の仕事は、撮影や編集の前に、決めることがたくさんあります。何を、誰に、どの長さで、いつまでに。この準備(プリプロダクション)が曖昧なまま進むと、あとで大きな直しになります。この記事では、ヒアリングから、企画3案、制作スケジュールまでを、記録とAIと参考動画の整理でつなぐ流れを紹介します。
プリプロの流れと、つまずく所
| 工程 | つまずく所 | この記事の対策 |
|---|---|---|
| ヒアリング | 聞き忘れが、あとで分かる | 項目を先に作り、話は録音する |
| 企画 | 1案だけ出して、方向がずれる | 方向の違う3案を並べる |
| 参考動画 | 見せたい動画が、すぐ出せない | 案ごとにタブをまとめる |
| スケジュール | 修正の回数や撮影日が抜ける | 納品日から逆算して、表にする |
ヒアリング:聞く項目を先に決めて、話は録る
最初の打ち合わせで聞くことは、映像の種類によって変わります。少なくとも、次の項目は押さえます。
- 目的(知ってもらう/申し込んでもらう/採用する など)
- 見る人と、流す場所(SNS・Webサイト・展示会 など)
- 尺と、納品日
- 予算の幅
- 必ず入れたいもの、入れてはいけないもの
- 決める人と、確認の回数
【企画】クライアントへのヒアリングシート
映像の種類に合わせて、最初の打ち合わせで聞き漏らしがないよう、ヒアリングの項目を作ります。「🎬 プリプロ」タブにあります。
- 選ぶ・書く項目:映像の種類(テレビCM・Web広告/企業VP・会社紹介/SNS用ショート動画/ミュージックビデオ/イベント・展示映像/採用・インタビュー)、メモ
打ち合わせは、相手の同意を取ってから録音すると、話しぶりや熱量まで、あとで読み返せます。議事メモレックなら、文字起こし・要約・やることリストがメールで届きます。登録も月額もいらず、音声は文字起こしが終わった時点で、お支払いの前に削除されます。録音の機材に迷ったら、PC・スマホ・ICレコーダー、打ち合わせはどれで録るべきか(議事メモレックのブログ)が参考になります。
ヒアリングが終わったら、24時間以内に、次の3つを済ませます。
- 届いた要約を読み、ヒアリングの項目のうち、聞けなかったものに印をつける。
- 聞けなかった項目を、確認のメールで質問する(決める人と、確認の回数は特に)。
- 要約の中から、クライアントが使った言葉を3つ選んでおく。企画書で、その言葉を使うと伝わりやすい。
企画3案:方向の違う案を並べる
企画を1案だけ出すと、「なんとなく違う」と言われたとき、どこが違うのかが分かりません。方向の違う3案を並べると、相手が選ぶ形になり、好みがはっきりします。
| 案 | 方向 | 向いている目的 |
|---|---|---|
| A | 人の気持ちに寄せる(共感) | 会社や商品を、好きになってもらう |
| B | 機能や数字を見せる(説明) | 比べられたときに、選んでもらう |
| C | 現場をそのまま見せる(記録) | 信頼してもらう、採用につなげる |
【企画】企画の方向性を3案出す 無料のおすすめ
目的・ターゲット・媒体から、方向の違う企画案を3つ出します。企画会議のたたき台に使えます。
- 選ぶ・書く項目:映像の種類、尺(6秒〜5分)、目的、ターゲット、媒体(ヒアリングの要約を貼ると早い)
【プロット】プロット(あらすじと構成)を作る 無料のおすすめ
選んだ案から、あらすじ・構成・見せ場を作ります。
- 選ぶ・書く項目:映像の種類、尺、構成の型(起承転結/問題提起→解決/ストーリー/ドキュメンタリー/ハウツー・解説)
議事メモレックの要約を、コマンドのメモの欄に貼ると、クライアントの言葉を踏まえた案になります。
参考動画:案ごとにタブをまとめる
企画を伝えるとき、言葉より、参考の動画が早いことがあります。LB TAB Layersで、案件のグループの中に、案A・案B・案Cのサブグループを作り、それぞれの参考動画を保存しておきます。
- 保存したタブに、メモを書く(例:「冒頭3秒の入り方が、案Aに近い」)。
- 打ち合わせの前に、案のサブグループを ▶ で開く。
- 「Markdown形式でコピー」で、参考動画のリンク一覧を、企画書やメールに貼る。
参考動画は、方向を伝えるためのものです。そのまま真似をせず、構図や音楽などの権利にも注意します。参考サイトの整理は、デザイナー・クリエイターのタブ管理術(LB TAB Layers のブログ)もあわせてどうぞ。
制作スケジュール:納品日から逆算して、Excelに
スケジュールは、納品日から逆算します。撮影の日数と、修正の回数を先に決めると、抜けが減ります。
【スケジュール】制作スケジュール(Excel書き出し用)
納品日から逆算した制作スケジュールを、表で作ります。返ってきた表を、タブの上の「📅 スケジュール作成ツール」に貼ると、Excel に書き出せます。
- 選ぶ・書く項目:映像の種類、尺、撮影(なし/スタジオ1日/ロケ1日/ロケ2日以上)、修正の回数(1〜3回)、開始日、納品日
【見積】概算見積もりの項目出し
企画の内容から、見積もりに入れる項目を洗い出します。金額は、自社の単価で入れます。
- 選ぶ・書く項目:映像の種類、尺、企画の内容
Excel への書き出しは、有料プランの機能です(Excel 書き出しの使い方)。
クライアントに出す前に確かめること
- ヒアリングで聞いた「入れてはいけないもの」が、企画に入っていないか。
- 尺と、ナレーションや文字の量が合っているか。
- スケジュールに、クライアントの確認の日数が入っているか。
- 見積もりの項目に、修正の回数を超えたときの扱いがあるか。
- 参考動画のリンクが、社外に見せてよいものか。
3つの道具の間で、データを自動で受け渡す機能はありません。前の道具の結果を人がコピーして、次の道具に貼ります。手間は1回のコピーですが、何をAIに渡すかを、毎回自分の目で選べます。
「🎬 プリプロ」タブの13のコマンドは、「プリプロ」タブの解説で、工程の順に紹介しています。