動画生成AIに「夕方の街を歩く女性」とだけ伝えると、構図も、動きも、光も、AI任せになります。思い通りの映像に近づけるコツは、映像の「撮り方」を言葉にすることです。カメラワーク、ライティング、レンズの3つを軸に、書き方を整理します。
書く順番:被写体から、撮り方へ
指示は、次の順に並べると、整理しやすくなります。
- 被写体と動き:誰が、何を、どうしているか
- 場所と時間帯:どこで、いつの光か
- カメラワーク:カメラは、どう動くか
- ライティングとレンズ:光の向き、画角、ピントの深さ
- 雰囲気と色調:全体の印象
- 長さ・画面の比率:サービスの設定で指定する場合もあります
動画生成のサービスは、それぞれ、得意な書き方や、指定できる項目が違います。ここで紹介するのは、どのサービスでも使いやすい、基本の言葉です。
カメラワーク
カメラの動きは、映像の印象を大きく変えます。1つのカットには、動きを1つにするのが基本です。
| 言い方 | どんな映像か | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 固定(static shot) | カメラは動かない | 落ち着いた場面、人物の表情 |
| パン(pan left / right) | カメラが、横に首を振る | 風景を見渡す、人物を追う |
| ティルト(tilt up / down) | カメラが、縦に首を振る | 建物や人物を、下から上へ見せる |
| ドリーイン(dolly in) | カメラが、被写体に近づく | 注目を集める、感情を強める |
| ドリーアウト(dolly out) | カメラが、被写体から離れる | 状況を明かす、余韻を残す |
| ズーム(zoom in / out) | 画角を変える(カメラは動かない) | 素早く寄る・引く |
| 手持ち(handheld) | わずかな揺れがある | ドキュメンタリー風、臨場感 |
| 空撮(aerial / drone shot) | 高い位置から、見下ろして動く | 街や自然のスケール感 |
ライティング(光)
光の言葉を足すだけで、映像の質感は大きく変わります。
- 自然光(natural light):やわらかく、自然な印象
- ゴールデンアワー(golden hour):日の出・日の入りごろの、あたたかい光
- 逆光(backlit):被写体の後ろから光が当たり、輪郭が光る
- やわらかい光(soft light):影がやさしい。人物向き
- ハードな光(hard light):影がはっきり。力強い、ドラマチックな印象
- 夜景・ネオン(night, neon lights):色のある光が、街に反射する
レンズと画角
- 広角(wide angle):広く写る。空間の広がりを見せる
- 標準(35mm・50mm など):自然な見え方
- 望遠(telephoto):遠くを引き寄せ、背景が圧縮される
- マクロ(macro):ごく小さなものに寄る
- 被写界深度が浅い(shallow depth of field):被写体にピントが合い、背景が大きくぼける
画面のサイズ感は、「クローズアップ」「ミディアムショット(腰から上)」「ロングショット(全身と周囲)」のように伝えます。
雰囲気・色調・長さ
「落ち着いた」「温かい」「ノスタルジック」「クールで都会的」など、全体の印象を1〜2語で添えます。色は「淡いパステル」「彩度を抑えた」のように指定します。
長さと画面の比率(横長・縦長など)は、プロンプトの文章ではなく、サービスの設定欄で選ぶものもあります。文章に書く前に、設定の項目を確認します。
まとめた例
プロンプトの例(英語で書く場合)
A woman in a beige coat walks along a quiet shopping street in the evening, holding a paper bag. Golden hour, warm backlight, soft glow on her hair. Slow dolly in from a medium shot to a close-up of her smile. 35mm lens, shallow depth of field, blurred warm lights in the background. Calm, nostalgic mood, muted warm color palette.
同じ内容(日本語で書く場合)
ベージュのコートの女性が、夕方の静かな商店街を、紙袋を持って歩く。 ゴールデンアワー、あたたかい逆光、髪にやわらかい光。 ミディアムショットから、笑顔のクローズアップへ、ゆっくりドリーイン。 35mmレンズ、浅い被写界深度、背景にぼやけたあたたかい光。 落ち着いた、懐かしい雰囲気。彩度を抑えた、あたたかい色調。
多くの動画生成サービスは、英語のほうが、意図が伝わりやすいことがあります。日本語で試して、思い通りにならないときは、英語でも試してみてください。
うまくいかないときの見直し
- 動きが多すぎないか。1カットに、カメラの動きと、被写体の動きを、詰め込みすぎない。
- 「〜しない」の指示に頼っていないか。「走らない」より、「ゆっくり歩く」と、してほしい動きを書く。
- 画像から動画をつくる場合は、動きだけを書く。見た目は、元の画像が決めます。書くのは、「カメラが、ゆっくり寄る」「髪が風で揺れる」のような動きです。
- 一度に変えるのは、1項目だけ。どの言葉が効いたのか、分かるようにするためです。
毎回、これだけの要素を考えるのは大変です。LB AI Prompt side bar には、カメラワーク・ライティング・レンズなどを選択肢から選んで、動画生成向けのプロンプトに整えるコマンドが入っています。