
AIの答えが出たあとで、「もっと短く」「表にして」「辛口で見て」と、毎回、打つのは手間です。スラッシュコマンドは、そうした追加の指示を、/3行 のような短い名前にして、押すだけで送れるようにしたものです。全部で45種あります。
スラッシュコマンドとは
AIに、毎回のように出す指示(「3行で」「表で」「辛口で」…)を、/3行・/表・/辛口 のような名前にして、一覧にしたものです。名前を押すと、その意味の指示が、開いているAIに送られます。
45種は、6つの分類に分かれています。「要約・整理・抽出」「文章推敲・トーン変更」「深掘り・ツッコミ・壁打ち」「精度アップ・嘘防止」「役割スイッチ(右腕AI)」「専門ショートカット(投資・栄養・翻訳・開発)」です。
使い方は3つあります。いちばん手軽なのは、①の「追撃」です。登録などは要らず、いますぐ使えます。
辞典を開く
画面の上の段にある「⚡ /コマンド」を押すと、「⚡ スラッシュコマンド辞典」が開きます。45種の一覧に、コマンドの名前(/3行)、英語の名前(/tldr)、何をするかが並びます。検索欄では、「/表」「要約」「辛口」「CFO」「ロット」のような言葉で、絞り込めます。
使い方①:追撃(追加の指示)を送る
辞典の各行にある「⚡ 追撃挿入」を押すと、そのコマンドの意味の指示が、開いているAIの入力欄に入ります。たとえば /3行 なら、「直前の内容の結論と一番大事なポイントだけを、3行以内で要約してください」という指示です。
コマンドの横の「📋」を押すと、指示の文章をコピーできます。
AIの返答のあとに、すぐ送りたいときは、テキスト系のタブの上にある「⚡ 追撃:」のバーが便利です。よく使う21のコマンドが並んでいて、ワンクリックで追加の指示を送れます。バーの右端の「すべて見る ›」で、辞典が開きます。
使い方②:プロンプトの末尾に条件を足す
テキスト系のコマンドのカードを開くと、「⚡ スラッシュ・出力タグ(押すと末尾に追加)」の欄が出ます。/3行・/表・/辛口 など17のタグを押すと、プロンプトの最後に、「【出力条件:/3行】結論と最も重要なポイントだけを、最初に3行以内で簡潔にまとめてください。」のような条件が足されます。もう一度押すと、外れます。
AIに送る前に、条件を足しておく使い方です。「最初から表で」「最後にToDoをつけて」と決めたいときに向いています。辞典では、このタグとして使えるコマンドに、「カード内タグ」の印が付いています。
使い方③:AIに覚えさせて、チャットで打つ
辞典の一番上にある「辞書プロンプト」を、ChatGPTのカスタム指示、ClaudeのProjects、GeminiのGemに、一度だけ貼っておくと、チャット欄で /3行 や /辛口 と打つだけで、通じるようになります。
- ⚡ AIに辞書を挿入:開いているAIの入力欄に、辞書プロンプトを入れます。
- 📋 辞書プロンプトをコピー:コピーして、カスタム指示などに貼ります。
45のコマンド一覧
各行の終わりの「追撃バー」は、テキスト系のタブの「⚡ 追撃:」バーに並ぶ21のコマンドの印です。「カード内タグ」は、プロンプトカードの出力タグとしても使える17のコマンドの印です。
要約・整理・抽出(9)
/3行3行で結論:結論と一番大事なポイントだけを3行以内で要約する(追撃バー・カード内タグ)/要約要点まとめ:全体の要点を、見出し+箇条書きでコンパクトにまとめる/表表で整理:内容をMarkdownの比較表(テーブル)に整理する(追撃バー・カード内タグ)/ToDoToDo抽出:「誰が・いつまでに・何をするか」のアクションだけを抜く(追撃バー・カード内タグ)/結論先結論から(PREP):結論 → 理由 → 具体例 → 結論 の順番で構成する(カード内タグ)/論点論点整理:「事実」「解釈」「決めるべき論点」の3つに切り分ける/比較メリット・デメリット比較:複数案のメリット・デメリット・コスト・おすすめ条件を並べる/図解テキスト図解:関係性や手順をテキストのフロー図(矢印やツリー)で視覚化する/集計データ集計・クロス表:バラバラな数値やリストを、項目別・時系列・クロス集計表にまとめる(追撃バー)
文章推敲・トーン変更(7)
/推敲自然に推敲:意味は変えずに、誤字やねじれを直して自然な日本語に磨く(追撃バー)/短く半分に短縮:冗長な表現を削り、文字数を半分〜6割に凝縮する(追撃バー・カード内タグ)/丁寧に丁寧な敬語:取引先や目上の人にそのまま送れるビジネス敬語にする(追撃バー)/やわらかくやわらかい表現:硬すぎる文章を、親しみやすく角が立たない表現に直す/小学生やさしく解説:専門用語を使わず、中学生〜小学生にもわかる言葉とたとえ話で説明する(追撃バー・カード内タグ)/3案3パターン出す:1つに決めず、切り口やトーンが違う3案を出して選べるようにする(追撃バー・カード内タグ)/タイトル見出し・件名10案:思わず開封・クリックしたくなるタイトルや件名を10個出す
深掘り・ツッコミ・壁打ち(11)
/分析要因・ボトルネック分析:単なる結果の羅列ではなく「傾向・異常値・原因仮説・次の一手」を抽出する(追撃バー・カード内タグ)/深掘りリサーチ3層深掘り:表面的な一般論をやめ、構造・競合の隙・顧客の本音まで3段階で深く掘る(追撃バー・カード内タグ)/横展開横展開(水平展開):この成功・強み・企画を「別ターゲット・別用途・別業界・別媒体」へ転用する案を出す(追撃バー・カード内タグ)/逆質問まず逆質問3つ:いきなり答えを出さず、まずAIから確認質問を3つして前提を固める(追撃バー・カード内タグ)/辛口辛口で点検:忖度や褒め言葉をやめ、論理の甘さ・抜け漏れ・リスクを厳しく指摘する(追撃バー・カード内タグ)/反論あえて反論:反対派(悪魔の代弁者)の立場になり、一番痛い反論と対策を出す/なぜ5回なぜ5回(根本原因):表面的な原因で止めず、「なぜ?」を5段階掘り下げて真因を特定する/失敗逆算失敗から逆算:「半年後に失敗した」と仮定し、原因トップ3と予防策を洗い出す/3人会議3人会議で議論:「攻めの営業」「守りの財務」「辛口の顧客」の3役で議論させる(追撃バー・カード内タグ)/次の一手今日15分の一手:抽象論をやめ、「今日これから15分でできる具体的な最初の一歩」に落とす(追撃バー)/ロープレ商談・交渉ロープレ:今の内容をもとに、AIがリアルな顧客・交渉相手役になって対話練習を始める(追撃バー・カード内タグ)
精度アップ・嘘防止(4)
/事実のみ事実のみ・推測禁止:推測で埋めず、確実な事実だけから答え、不明点は「要確認」と書く(追撃バー・カード内タグ)/根拠根拠・出典を明記:主張ごとに「なぜそう言えるのか」の根拠や出典を明記する/一歩ずつステップ順で思考:飛躍せず、思考のプロセスや計算手順を1ステップずつ順番に書き出す/自己採点自己採点して改善:AI自身の回答を100点満点で採点させ、弱点を直した完成版を出させる(追撃バー・カード内タグ)
役割スイッチ(右腕AI)(6)
/COO右腕COO(優先順位):優秀な参謀・秘書モード(優先順位づけ・タスク仕分け・時間割作成)/CFO辛口CFO(採算・金庫番):辛口の財務責任者モード(投資対効果・コスト削減・値決めのシビア審査)/CMO右腕CMO(集客・強み):マーケター・広報部長モード(顧客目線での強み言語化・集客導線)/法務交渉の盾・リスク管理:リスク管理・交渉参謀モード(不利な条件の指摘・角を立てずに断る文面)/編集者プロの編集者:読者が飽きる箇所の指摘・構成の組み替え・リズム改善/コーチ伴走メンター・傾聴:否定せず傾聴し、感情と事実を分けて思考を整理する
専門ショートカット(投資・栄養・翻訳・開発)(8)
/両目線強気・弱気の両目線:【投資】買い(ブル)と売り(ベア)の両方のシナリオと撤退条件を出す(追撃バー・カード内タグ)/サプライズ市場予想とのギャップ:【投資】決算や経済指標を「コンセンサス比のサプライズと織り込み度」で整理/ロット適正ロット・RR計算:【投資】許容損失額と損切り幅から、適正なポジションサイズとリスクリワードを計算/PFCカロリー・PFC概算:【ダイエット】カロリーとタンパク質・脂質・炭水化物の目安と次の調整案を出す/英訳自然な英語に翻訳:直前の内容を、ネイティブに通じる自然な英語(標準・丁寧の2案)に翻訳する/和訳自然な日本語に翻訳:英語の文章を、直訳調ではない読みやすい自然な日本語に翻訳する/プロンプト化再利用プロンプト化:今のやり取りや雑なメモを、いつでも再利用できる構造化プロンプトに変換する(追撃バー)/レビューコード・設計レビュー:【開発】バグ・エッジケース・セキュリティ懸念・改善コードを指摘する
上手に使うコツ
- 長い答えが出たら
/3行、比べたいときは/表、自分の案の穴を見つけたいときは/辛口や/失敗逆算。まずは、この4つから試してみてください。 /事実のみや/根拠は、数字・出典・固有名詞のように、AIがもっともらしく間違えやすい場面で、役に立ちます。ただし、AIの答えが正しくなるとは限りません。大事なことは、元の資料で確かめてください。/ロープレ・/3人会議のように、AIに役を演じてもらうコマンドは、いまの話題を、そのまま材料にして始まります。
/両目線・/サプライズ・/ロット・/PFC)は、情報を整理するための目安です。投資の助言や、医療・栄養の指導ではありません。